発行可能株式数とは

会社設立時に意識しておくべき発行可能株式数の制限

株式会社設立時には会社の株を発行する必要がありますが、株式の譲渡制限を設けていない公開会社の場合、将来的に発行可能な総数は会社設立時に発行した初期発行数の4倍を超えてはならないいう制限がかかることに注意が必要です。つまり、会社設立時に発行した数が1,000株だった場合、将来的に追加で発行可能な数は3,000株となり、総発行数は4,000株が上限となります。この制限は、会社法の第113条に定められている制限事項になります。
ただし、株の譲渡制限を設けている非公開会社の場合には、上記の発行可能数の制限の適用対象外となっています。ですので、会社設立時に発行した数が1,000株であったとしても、将来的に4,000株を超えて発行することも可能です。2001年に商法が改正される前までは、非公開会社であっても公開会社と同様に総発行数に制限がかけられていたのですが、その制限は既に撤廃されています。公開会社と非公開会社の違いを勘違いし、非公開会社でも制限を受けると誤解している方もいるので注意が必要な部分です。

ただし、公開会社の場合に総発行株式数を増やす方法が全くないかというとそういうわけでもありません。会社設立時に定めた定礎を変更して発行株式数を変更して増資するという手段があります。ただし、この場合、増資した分の登録免許税と定礎変更にかかる登録免許税が必要となります。定礎を変更するには手間と費用がかかりますので、発行可能数については将来的な追加発行の予定や可能性を十分に検討した上で決めることが望ましいです。
一般的に定礎を変更するタイミングとしては、非公開会社から公開会社に変更するケースが挙げられます。このタイミングで定礎の変更と併せて増資の手続きをすることで、効率よく対応することができます。

また、発行数を考える際に対になるのが1株あたりの金額ですが、1株の値段は安すぎても高すぎても問題があります。1株の価格が安ければ株式に対する価値が低いものと見なされるため信用を得にくなりますし、将来的に会社設立時より低い価格で発行することが難しくなります。逆に高すぎる場合は、今後の増資を考えた際に、最小投資額が高くなってしまうために新規株主の投資へのハードルを引き上げることになります。どちらの場合であっても、後ほど増資をする際に不都合が発生します。資本金が著しく少ない場合を除いて、1株あたり1万円から5万円が一般的な価格となります。